山口洋と細海魚は双子のサイボーグ?

細海魚がヒートウェイヴのレコーディングに初めて参加したのは、1992年。3枚目のアルバム『陽はまた昇る』での「公園にて」。
『EPIC YEARS 1990 - 1995』のインタビューで、山口洋はその出会いを語っています。
〈とあるミュージシャンのレコーディングで(細海魚に)出会ったんだけど、彼のピアノの音は抜群に何かを出していた。それで、「僕はヒートウェイヴというバンドをやっているんですが、今度レコーディングで弾いてください」と声をかけた。鍵盤がタダ者ではないと思った初めてのミュージシャンだった。後で訊いたら、彼も「あのギターの人は何?」って言ってたんだって。お互い何かを感じたんだろうね。自分たちの音楽にちゃんとした鍵盤を入れたいと思ったのは、彼に出会ったおかげだから〉。
2011年、山口洋と細海魚によるアルバム『SPEECHLESS』のジャケットをデザインした駿東宏は、このコンビについて自身のblogで、〈この二人は石の森章太郎の名作漫画「009」に出てくる「0010」みたいだなあ。「0010」はツインで「テロ」に反逆した009達をターゲットにした。(ややこしい)「+」と「-」で離れていて成り立っている意味で「0010」なのであって、キャラクターは全く違う。この二人、両方とも2重性格と思う。ややこしい二人なのだ。「音楽」や「音」で繋がっているツインと感じる。一瞬聴いたこともないような劇的な瞬間を平気なやっているかと思えば、結構お茶目な感じに頭振ったりしちゃう〉 と書いています。
〈細海と山口とはある種「対」である〉と評しているこちらと合わせてお読みください。なお、デザイナーの駿東氏は、自身とふたりとの関係をある有名な映画のキャラクターの関係に喩えています。