「『尽くさないイベンター』といつもなじられておりますが、先日の福岡ライヴのように、すごく心を揺さぶるライヴを見せられたり、『the Rising』のように、魂のこもった素晴らしい内容のボックスを目の当たりにすると、何を言われても我慢できてしまいます(笑)」岡崎彩子


2006年3月14日、ツアー「on the road, again」最終日に山口洋に授与された「完走」メダル


―――渡辺圭一監督のドキュメンタリーDVD「Seaching for "land of music"」の中でも1チャプターとしてフィーチャーされている、アルバム『land of music』への重要な要素だった2006年の山口洋ソロツアー「on the road, again」。このツアーで九州各地のライヴをサポートしてくれたのが、福岡に拠点を置くコンサート・イベンター「つくす」のスタッフ、米倉浩志郎さんと岡崎彩子さん。3月5日(水)に佐賀・RAG・Gでヒートウェイヴを再び迎える「つくす」のおふたりと彼らの旧知の仲という山口洋に、ヒートウェイヴ(Trio)の故郷、九州でのライヴについて訊いてみました。
まずは山口さん、ふたりと知り合ったきっかけ、それと先日のヒートウェイヴでの1月23日、福岡での“the Rising”ツアーの感想を教えてください。


山口洋 うーん、奴らは気がついたら、そこに居たんだ。ヨネ(米倉)はあいつが学生の時から、うちの廻りに居たからなー。いつから、何て、もう思い出せん。いろいろ紆余曲折はあったけど、九州と云えば、「つくす(尽くしてくんないけど)」、ぜーんぶ任してる。
何はともあれ、音楽を取り巻く環境をもっと豊かなものにしようと、互いにフントーしてるところで繋がってるんだと思うよ。


米倉浩志郎 僕がまだまだ若かりし20年近く前でしょうか。当時はHEATWAVEのお客さんとして、LIVE HOUSEに行きまくってました。僕が、HEATWAVEの当時のSTAFF(現浅井健一氏マネージャー、堀裕司)の後輩で、その繋がりでLIVEの手伝いをしたり、怒涛の打上げの洗礼を受けたり、、早朝野球でとことん鍛えられたり、男を鍛える為の寒中水泳で、あやうく溺れ死にそうになったり……当時から、かなり濃い関わり方をさせて頂いてました(笑)。
そうこうしているうちに、何故か僕がイベンターの仕事をするようになり、嬉しいことにそれからずっと、HEATWAVEに携わってます。
先日の福岡LIVEは素晴らしいの一言につきますね。何度LIVEを見てるか数え切れないし、見る度にそのLIVEが「最高」といつも思うのですが、特に今回はHEATWAVEの新しい道が開けたLIVEだったと思います。山口さんの怒涛のソロツアーで培った人脈や環境、そして楽曲達が見事にあのLIVEにプラスで帰ってきましたね。まさしく、「land of music」な空間でした。近い将来、久しぶりにHEATWAVEのホールLIVEも実現させたいと勝手に思ってます。


岡崎彩子 私は山口さんとはまだ数年のつきあいですね。「尽くさないイベンター」といつもなじられておりますが、先日の福岡ライヴのように、すごく心を揺さぶるライヴを見せられたり、「the Rising」のように、魂のこもった素晴らしい内容のボックスを目の当たりにすると、何を言われても我慢できてしまいます(笑)。米倉同様、ヒートウェイヴ(または山口洋……笑)に魅了されたひとりですね。
 


―――山口洋のダイアリー本「Days of "land of music"」にも記されていますが、2006年の山口洋のツアーでは、3月は喉の炎症で福岡の病院で点滴を受け同年9月には台風の直撃で小倉のライヴが順延という過酷な体験を九州ではしていますよね。


山口洋 九州はね。何故か過密スケジュールになるんだよ。次こそは、温泉――ライヴ――移動――温泉――ライヴみたいな流れにしようねって、話し合ってんだけど、どうしてなんだ、米倉? 教えてくれ? 今回も10日で8本、みたいな。ま、でも、奴らが居てくんなかったら、俺、昇天してるもんね、今頃。感謝してるよ。


米倉浩志郎 九州過酷ですよね(苦笑)。限られた期間で色んなところブッキングして、かなりハードな行程になってしまいます。が、全ては多くのお客さんに見てもらうためです(笑)。でも次回こそは必ず温泉いれましょうね。
このツアーはやればやるほど、線で繋がってきますよね。今まで行ったことない土地で熱狂的に迎えられたりすると、次回また是非いこう!と思ったりします。こうやって、また過酷なツアーになってしまうのですかね(笑)。


岡崎彩子 いつも何故か九州ソロツアーでは、心身ともに究極に追い込んでしまうんですよね(苦笑)。地元なのに……すみません。でもそんな姿を見て、自分たちには何が出来るのだろうと色々と考えさせられます。歌い手が、いかに最高のステージを見せる為に、ライヴをイメージしテンションを保っているのか、山口さんとのツアーで身近に実感することができました。とくに、台風直撃の小倉ライヴの時は……その日に小倉でライヴをする、そうイメージしテンションを上げて小倉入りしたわけですから、当然台風がこようが、電車が止まろうが、看板が凄い勢いで飛びかっていようが、そんなことでは、山口洋のテンションは下がらないわけです(笑)。それに、仕事を休んだり、また遠くから足を運んでくださる方の為にも、どうしても今日やりたいんだと、本人は最後まで引きませんでした。やりたいのはやまやまですが、私は裏方の人間なので、正直そこまで頑なになる気持ちは理解できませんでしたね。安全が第一じゃないか、と。でもその後、自分が壊れそうなほど夜中までしゃべりまくっている(呑んでいる……笑)様子を見て、一つ一つのライヴに焦点を合わせ、いかに最高のテンションでもっていくのか、本当に大変なことなんだと感じました。そして、どんな状況の時でもどうすればそれをサポート出来るのかが、私の中で課題になりました。つまり、山口さんとツアーをまわったことで、イベンターとして音楽に携われる喜びを知ったわけです(笑)。って、ちょっと飛びましたね。
とにかく、最高の音楽を最高の状態で多くの方に見てもらいつつ、温泉ツアー!を目指して頑張ります(笑)。



―――ここ数年、佐賀ではライヴを重ねています。佐賀の印象と、3月5日、ヒートウェイヴでのライヴにかける意気込みを最後にお願いします。


山口洋 佐賀ねー。熱い奴らが居るんだよ。何度か、一人で行ったから、今度はフル・バンドじゃないにしろ、バンドの音を届けなきゃね。待ってろよー。


HEATWAVE
TOUR 2008 "The Rising" Trio Session

池畑潤二/渡辺圭一/山口洋

3月5日(水) 佐賀・RAG・G
開場/開演=18時30分/19時30分
チケット料金=4,000円(税込/ドリンク代別途)
チケット=チケットぴあ、ローソンチケット、e+、RAG・G店頭にて発売中
問=つくす(TEL_092-771-9009)