緊張感、高揚感、エトセトラ。音楽の奇蹟を感じたよ。本当に嬉しかった。(山口洋)

―――アルバム『TOKYO CITY MAN』をリリースした1997年8月、ヒートウェイヴは新宿パワーステーションで、3週連続ライヴを行ないました。1週目のゲストはTHE GROOVERS、2週目は小谷美沙子さん、そして3週目が、ドーナル・ラニー・バンド、シャロン・シャノン。 …

何もなかったところから、楽曲の力だけで、人が繋がっていくのを見ているのは痛快だったよ。(山口洋)

―――1996年、野茂英雄がメジャーリーグに移籍して2年目、コロラドロッキーズ戦でノーヒットノーランを達成した年です。 ヒートウェイヴは、前作『1995』で、それまでのレコード会社との契約が終了し、事務所とのマネージメントもなくなり、バンドは……、バンド…

人は永遠にやり直しながら生きていくんだと思うよ。(山口洋)

―――1995年といえば、阪神・淡路大震災、オウムによる地下鉄サリン事件が起こり、“どんな気がする? この時代に正気を保つのは”というフレーズの通り、「終わりのはじまり」の最初の兆候を強烈に印象づけられた年でした。ヒートウェイヴがこの年8月に発表した…

「おきなわ倶楽部」の表紙にHEATWAVEが登場!

沖縄の情報誌「おきなわ倶楽部」11月号に山口洋のインタビューが掲載され、表紙もヒートウェイヴが飾っています。 ASYLUM 2009 presents http://www.sakura-zaka.com/asylum2009/index.html 11月13日(金) 那覇・桜坂セントラル 開場/開演=18時30分/19時…

で、決断した。今回はオレの頭の中にある景色を伝えることを優先しようって。オレはほぼすべての楽器を演奏した。辛い経験だったよ。(山口洋)

―――『陽はまた昇る』を1992年にリリースしたあと、隙を見つけてはギターを持って海外を旅するようになったということですが、最初、もっとも多く訪れていたのはニューヨークのはずですよね。様々な小説、舞台、映画、音楽で描かれ、多くのアーティストが活躍…

オレと圭一はルー・リードの『legendary heart』みたいな作品を作りたかった。(山口洋)

―――1992年にはアルバム『陽はまた昇る』をリリースしています。新たな旅立ちのための別れを歌った歌が多いように感じました。怒りよりも内省。夜が終わって陽が昇る前の、手つかずな一日を迎えるために必要な音楽。 ファンとしてはバンド編成が謎でした。ジ…

「『自由』を求めて、音楽をやってきたのに、プロになった瞬間にものすごい違和感があったんだ」(山口洋)

―――ファーストアルバム『柱』(90年)から約8ヶ月というインターバルでリリースされたセカンドアルバム『凡骨の歌』(91年)。『柱』ではカメラ目線がなかった山口さんが、ついにジャケットカバーでレンズを見据えていますが、メジャーデビューから『凡骨の歌…

「実はデビュー当時のひっどいPV、あるんだけど。それだけは流さないでくれって懇願したよ。だって、演技は出来ない、歌ってるフリもできない。音楽をやるしか能がない。そんなバンドだったからね」(山口洋)

1990年、デビュー時のアーティスト写真 ―――ここでちょっとヒートウェイヴ30周年史からずれてしまうんですが、「歳月の記録」(89年)は廃盤になっていたのが、2004年に細海魚さんによるリマスタリングで再リリースされました(→★)。80年代のCDはいまそのま…

「レコーディングの方法や、プレス、宣伝、流通に至るまで、ゼロから学んでいったんだ」(山口洋)

1989年、福岡・都久志会館での上京前、最後のコンサート ―――渡辺圭一さんがベースとして加入して、その頃から山口さんがヴォーカルもとるようになったんですか? 山口洋 圭一がベースを弾くようになって、ある日、ヴォーカルがライヴの前の日に辞めたんだ。…

「当時、有名になるにはコンテストに出るしかなかった。そこでいろんな賞をもらうようになって、最前列にいつも目立つデカい客が居たのね。それが渡辺圭一」(山口洋)

1982年のヒートウェイヴ。ロックコンテストにて。ヴォーカルは中原、山口洋は右端のギター。この日も渡辺圭一は客席の最前列に居た。 ―――福岡には素晴らしいレコード店がたくさんあったということは何度か山口さんから聞いていますが、ほぼ同世代で岐阜育ち…

「その時、心の中で声を聞いたんだよ。悪魔の声。『お前はバンドをやれ』って」(山口洋)

ヒートウェイヴの公式サイトのバイオグラフィーには、バンドの起源については「1979年福岡にて結成」とだけ記されている。正確な日付は不詳。山口洋、高校1年の年だ。以下に語られた結成エピソードからして、さすがに1学期ではないだろう。夏休み明けの2学期…

「日本各地をまわって、ローカル色の大切さを教えてもらったから、今度は自分が暮らす街で、ローカル発信のイベントを作ってみたい」リクオ

山口洋やリクオさんらが出演し、昨年9月、江の島展望灯台サンセットテラスで開催された「海さくらコンサート」が、今年は名称を「UMISAKURA MUSIC FESTIVAL」に改称し、9月5日(土)、6日(日)の2日間に渡って行なわれる。ステージも増え、現在発表されてい…

続・山口洋を海で聴く

会場からは日本海が見えます。 去年のライヴの日の山口洋の日記はこちら。 8月6日 (木) 新潟・青山海岸 ネフ 出演=山口洋 オープニングアクト=クマガイマコト 開場/開演=18時30分/19時30分 チケット料金=前売3,500円 当日4,000円(ハーブティー付) 問…

山口洋 & リクオ ”THE HOBO JUNGLE TOUR”スタート

山口洋とリクオさんによるツアーが再びスタートします。 当blogでのふたりへのインタビューは、第22回、第23回、第32回で行なっています。 山口洋 & リクオ THE HOBO JUNGLE TOUR 2009 7月12日(日)愛媛県 松山市・MONK オープニングアクト=梶虎 開場/開…

「(2001年、大阪バナナホール)雨が止むまで待つ時間もない。スタッフみんなで、『よし!』と気合いを入れて、なるべく機材を濡らさないように運んで車に積み込みました。みんな、ずぶ濡れで、シャワーも浴びず、そのまま名古屋に向かったのですが、その時の『みんなでやった感』が、今でも心に残っています」(藤井和夫)

―――20世紀末からの数年間だろうか、徒弟制度のない(あたりまえだ)ヒートウェイヴに「丁稚」(でっち)と呼ばれる男がいた。またの名を藤井和夫。ツアーやレコーディングに同行し、楽器を運び、撤収し、あろうことか、2001年のステージではアンコールに乱入…

「気に入らないと言われればボツにして潰すつもりでした。やはり羽根は山口洋ありきなので。その位の覚悟でやってます」中野貴

―――山口洋と、ジュエリーデザイナー中野貴さんとのコラボレーション・アクセサリーがツアー会場と、中野さんの店である東京・代官山の「knife *acoustic groove*」で販売されている。山口洋の首にいつもかかっているシルバーの羽根がそれだ。現在販売され…

山口洋、6月20日、21日は那覇と石垣島へ

HEATWAVE 30th ANNIVERSARY TOUR vol.1 "solo!" (山口洋) 6月21日 (日) 沖縄 石垣島・すけあくろ 開場/開演=19時30分/20時30分 チケット料金=前売=2,500円/当日=3,000円(ドリンク代別) チケット予約、問い合わせ=090-3796-8326(今村) 新良幸…

「先日の代官山のライヴを観て思ったんだけど、“life goes on”というフレーズに続いて、もし日本語でもう一声叫ぶなら“俺たちに未来はある”なんです。決して“ノー・フューチャー”ではない」三保航太

僕とうつとの調子っぱずれな二年間作者: 三保航太,はらだゆきこ出版社/メーカー: メディア総合研究所発売日: 2009/05/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 77回この商品を含むブログ (6件) を見る いつもこのインタビューを仕切ってくれ…

「夜の果てへの旅」ビデオクリップ

山口洋のライヴアルバム『Live at Cafe Milton』より「夜の果てへの旅」のビデオクリップ。 4月の「ARABAKI ROCK FEST.」で、「HEATWAVE × mood.films」によって上映された映像を吉原江輔(mood.films)が再構築しました。 当blogでの『Live at Cafe Milton…

HEATWAVE 30th ANNIVERSARY TOUR vol.1 ”solo! duo!! trio!!!”

ヒートウェイヴ結成30周年を記念するツアー第一弾が5月9日よりスタートします。山口洋の"solo!"、山口洋+細海魚による"duo!!"、山口洋+池畑潤二+渡辺圭一による"trio!!!"と三様のヒートウェイヴの魅力を堪能してください。 なお、ツアー初日の5月9日福岡…

「すごいなーと思ったのは池畑さんの体力ですね。開演前も終演後も誰よりも元気でパワフル。帰りも池畑さんは一人別便で、夜には東京でライヴだったそうで、ほんとすごいです」渡辺太朗

「夜の果てへの旅」のための映像より/吉原江輔(mood.films) ―――4月の最後の週末、宮城県エコみちのくキャンプで開催された「ARABAKI ROCK FEST '09」に、「HEATWAVE × mood.films」として出演した、映像チームmood.filmsにインタビューしてみました。 『lan…

リアム・オ・メンリィの来日公演に山口洋ゲスト出演

ホットハウス・フラワーズのリアム・オ・メンリィ、8年ぶりの来日、東京公演(5月19日・渋谷duo music exchange)に山口洋がゲスト出演します。 会場では、山口洋のライヴアルバム『Live at Cafe Milton』も販売します。 いまから10年前、山口洋のラジオ番組…

オンラインショップでの発売開始前夜!

―――先日、吉祥寺での完成記念ライヴの翌々日、先週末の二日間は、宮城県白石市での『Live at Cafe Milton』奉納ライヴ! カフェミルトン開店15周年のイベントだったそうですが、二重のお祝い、いかがでしたか? 山口洋 いやいや。開店15周年と呼ぶには、あま…

「聞こえてたよ。本当にたっくさんのオーディエンスが来てくれて、嬉しかった」山口洋

―――昨夜の吉祥寺STAR PINE'S CAFEの、『Live at Cafe Milton』発売記念ライヴ素晴らしかったです。予告通り、ライヴ盤中心の選曲。さらに、驚いたことに新曲の発表もあったじゃないですか! タイトルを口にするのを気恥ずかしがってたようでしたが、「What's…

「な、訳で、明日のスターパインズ・カフェでは皆さんに手に取ってもらうことができます。めでたい日なので、シリアルナンバーも書きます」山口洋

撮影=山口洋 ―――「ぱんぱかぱーん」というファンファーレと共にアルバムのマスタリング完了がアナウンスされたのが3月17日。それからきっちり1ヶ月後の4月16日、明日の吉祥寺STAR PINE'S CAFEでのライヴ会場で発売、というのは、通常のレコード会社の進行…

「この国には多様性があるってことを、僕は伝えたい。みんな同じなんかじゃないし、同じになる必要はないし、同じ恐怖に震えることもない」山口洋

撮影=山口洋。上から秋田道、雪の山形道、そして東北道(2008年) ―――「Life goes on」の歌詞の原型?が記された昨年9月の日記の文中に、ブルース・スプリングスティーンの「born to run」のことも短く触れられています。 対して、ライヴアルバム『Live at …

「実際、このアルバムはマサルに捧げられてる」山口洋

撮影=山口洋。2008年12月27日、「月の庭」にて。 ―――ライヴアルバム『Live at Cafe Milton』インタビュー。収録曲の話、前回の続きです。 100曲以上あるはずのヒートウェイヴの楽曲の中でも、「灯り」はもっとも情景が浮かんでくる曲だと思います。 〈海を…

「特設サイトでレビューを書いてくれた長谷川さんが「このライヴ盤には温かさがある」みたいな事を書いてくれたんだけど、実のところ僕にはあまりその感覚はない。ある種の緊張感というか、キリリとした空気というか、それがこの時代に向き合うのには必要なんじゃないかって思ってる」山口洋

―――WBCの投手の投球数制限を見て、先発完投を目指す野球は完全に時代遅れのものになったなあって思いました。マラソンだと、どんなレベルのランナーでも完走タイムを想定してペース配分を事前に組み立てます。ステージに立つときもきっとそうですよね? 序盤…

「ミルトンは貨車で出来てる。貨車は音楽の響きのために作られてはいない。おまけに建物自体もシンメトリックな作りではない。そこにパツンパツンにお客さんが入ってる。しじゅう、薪ストーブがパチパチ音を立ててる。でも、だよ。いい音ってものに具体的な基準はないんだ」山口洋

蔵王、2001年。撮影=山口洋 ―――かつて自分のラジオ番組で「歯医者で聴きたい歌特集」なんて企画をやってたとはいえ、まさか蔵王まで歯医者に通うとは思ってもいませんでした。というわけで「虫歯を持った渡り鳥」に中断されたインタビューの続きです。 前回…

「カフェ・ミルトンのある白石はね、蔵王の隣町なんだ。熱心なファンなら知ってると思うけど、蔵王の廃校になった小学校で、僕らは昔レコーディングをしてた。あのエリアには何かがあるんだよ。僕の心を打つものが」山口洋

―――再び、詩人、長田弘さんの言葉を引用させていただきます。〈旅の経験を決めるのは、じつは旅そのものではなく、旅のあとの話だ〉という言葉です。だから、長い旅の結実であるはずのライヴアルバム『Live at Cafe Milton』が届くまでの間にもう少し、旅の…